TL;DR
- セールと同僚の勧めで Bambu A1 mini を買ったら、想像していた以上に沼だった
- フィラメントは増えるし、プリンタは自分で改造できるし、モデルは MakerWorld と Claude Code でだいたいなんとかなる
- 記事公開現在、Bambu Lab が4周年セール中(〜2026/7/20まで)なので、前から気になっていた人は買い時かもしれません(私もセールに最後の一押しを受けて買った側です)
きっかけはセールと同僚の勧め
ずっと気になっていた3Dプリンタを、ついに買いました。Bambu A1 mini です。

正直、3Dプリンタは「買ったら、最初のうちはいじりまくるけど、しばらくしたら押し入れで眠るやつ」になりそうなイメージがあって、ずっと様子見をしていました。
ただ、ある日セールで安くなっているのを見つけました。さらに、ちょうど少し前にこの A1 mini を買った会社の同僚がいて、その人に話を聞いても「買って損はしない」と勧められたので、最終的に注文してしまいました。実際に使っている人の「いいよ」という言葉は、やはり効きます。
買う前に身構えていたことは、だいたい杞憂
3Dプリンタになかなか手を出せなかったのは、前述の「押し入れ行き」イメージ以外にも、いくつか「大変そう」という苦手意識があったからでした。ですが実際に使ってみると、ほとんどが取り越し苦労でした。
「レベリング調整が面倒そう」→ 全自動だった
3Dプリンタは、ベッド(造形物を載せる土台)の水平を出すのに「A4用紙1枚ぶんの隙間で……」というような繊細な調整が要るイメージがありました。私はそういった調整を定期的にするのが面倒そうで、そこが一番のハードルだと思っていました。
ですが少なくとも A1 mini は、初期設定のステップで自動レベリングをやってくれます。後から再調整が必要になっても、設定画面から実行するだけです。紙を挟んで微調整するような作業は、一度もしていません。
「モデリングやスライスの知識が要るのでは」→ 要らなかった
これも杞憂でした。
- 既製品でよければ、後述の MakerWorld に山ほどモデルがあります。スマホアプリから印刷を押して、フィラメントの種類を選ぶだけで刷れます
- 新しく欲しいものがあっても、今ならAIである程度作れます。実際、Claude Code に指示するだけでいくつか自作できました(これも後述します)
「3Dモデリングを覚えてから……」と身構えなくても、買ったその日から普通に遊べました。
気づいたら、フィラメントが増えている
ここからは、届いてからの話です。
最初に言っておくと、フィラメント(造形の材料)は1個では終わりませんでした。
本体に付いてくるフィラメントは、テスト用の20gほどです。試し刷りを何回かしたらすぐになくなりました(ここは想定どおり)。
助かったのは、同僚に「最初の1本は一緒に買っておけ」と言われて、本体と同時に純正の白を1kg買っておいたことです。おかげで初日からちゃんと遊べました。
ところが、1kgあればしばらく持つだろうと思っていたのに、これがあっという間になくなりました。あれも作ろうこれも作ろうとやっているうちにリールが空になり、慌てて白をもう1kg追加し、それも使い切りました。白だけで2kg、すでに消費済みです。
白に慣れると、今度は色や素材の欲が出てきます。「黒も要るな」と PLA の黒、「丈夫なものも試したい」と PETG の黒、さらに「色違いも見てみたい」と3Dペン用の安い色セットにまで手を出しました(これです。3Dペン用でも普通に使えると聞いて、色テスト用に買いました)。

1個買うと、次の1個を呼んでくる感覚があります。気づけば素材違い・色違いのリールが棚に並んでいました。

厄介なのは、残量が減ってくるとなぜか不安になることです。今すぐ刷る予定もないのに「なくなりそう」と気になって、つい次を買ってしまいます。本体は一度買えば終わりですが、材料は減るし増える。あれです、1つお迎えしたら仲間を呼んでくるタイプの趣味だと、財布で理解しました。
ここが面白い
① プリンタで、プリンタを改造できる
A1 mini は、自分で印刷したパーツで自分自身を改造できます。
最初に刷ったのがスクレイパーとそのホルダーでした。印刷物を剥がすヘラ(スクレイパー)を、プリンタ本体に磁石で固定しておけるパーツです。ヘラの金属部分は初期セットに入っており、印刷データも A1 mini に最初から入っているのですが、持ち手部分は付属しておらず、メーカーも印刷して使うことを想定しています。
ここで止まらないのが沼で、A1 mini のかゆいところに手が届くようなパーツが、MakerWorld には山ほどあります(詳しくは後述)。
道具で道具を育てていく感じで、ものをカスタムするのが好きな自分みたいなエンジニアには完全に刺さってしまいました。
② モデリングできなくても、だいたい MakerWorld にある
3Dプリンタは「CADで自分で設計するもの」というイメージがありましたが、実際はそうでもありませんでした。
Bambu の MakerWorld というサイトに、世界中の人が作ったモデルが大量に公開されていて、欲しいものはだいたい見つかります。ダウンロードして印刷ボタンを押すだけです。A1 mini 向けに印刷設定まで詰めてくれているモデルも多く、本当に「印刷」を押すだけで完成することもあります。
実際にどんなものを刷っているか、ジャンル別にいくつか挙げてみます。
プリンタまわりの拡張系
①でも書いたとおり、最初はプリンタ自身を快適にするパーツから入りました。
- A1 mini ファンカバー:本体のファンがむき出しなので、それをカバーするやつ
- Poop Bucket(ゴミ受け):A1 mini が印刷の合間に排出するパージ材(俗に “poop” と呼ばれます)を受け止めるパーツ。名前はともかく実用的です
- もつれ防止ハンドル+PTFEチューブガイド:フィラメントの取り回しを整えて、絡まりを防ぎます
- 360度回転するケーブルクリップ
- A1 mini 用の小物収納:付属工具やノズルの定位置づくりに
- 本体下に設置できる棚
とりあえず刷りたい欲を満たすフィジェットトイ
「何か刷りたいけれど特に用はない」という衝動は3Dプリンタあるあるだと思うのですが、それを満たすのに向いているのがこの手のモデルです。組み立て不要でその場で動くものが多く、印刷の楽しさを手軽に味わえます。
- 遊星ギアのフィンガースピナー:刷ったらギアがちゃんと噛み合って回ります
- インフィニティ・フィジェットキューブ
- 7-in-1 ランチャブル・フィジェットトイ
実用品(工具・収納)
遊んだあとは、生活の役に立つものにも手が伸びてきました。
- ノギス(2サイズ):プリンタを持つと「ちょっと寸法を測りたい」場面が増えるので、地味に重宝しています
- スタッカブル(積み重ね)収納ボックス / レシートホルダー / その場で組み上がる収納ボックス
- 折りたたみボックス(サイズ自由生成):欲しいサイズを指定するとモデルを生成してくれるタイプです。MakerWorld には、こうしたパラメータを変えて自分仕様にできるモデルもあります
こうして並べると、生活の細かい不便がだいたい印刷で埋まっていくのが分かると思います。「これ欲しいな」と思ったら、買う前にまず MakerWorld を検索するのが癖になりました。
③ なかったら、Claude Code に作ってもらう
MakerWorld にもないニッチなものが欲しくなったときは、最近は Claude Code に作ってもらっています。
仕組みはシンプルで、OpenSCAD というCADを使います。これはマウスで造形するのではなく、寸法や形をコードで記述するタイプのCADです。このコードを Claude Code に書いてもらいます。「こういう寸法で、こんな形の収納パーツが欲しい」と伝えると、OpenSCAD のコードが出てくるので、あとはSTLに書き出して印刷するだけです。
良いのは、コードなので会話で直せる点です。「ここの寸法をもう少し大きく」「磁石の数を増やして」「真ん中に列を1つ足して」といった雑な指示でも反映してくれるので、GUIのCADでやり直す手間がありません。
実際に作ったのが、スチールラックに磁石で吊り下げる小物ストッカーです。ガジェットポーチに入れるケーブルや絆創膏など、その辺にあると便利なものを入れています。
不満点(半分ネタ)
① 印刷していない時間が「もったいない」気がしてくる
これは職業病かもしれません。プリンタが動いていない時間に、なんとなく損した気分になります。
感覚としてはLLMのトークンに近くて、「使わないともったいない」という気持ちがじわじわ湧いてきます。「せっかく印刷できるのだから何か刷っていないと」という謎の焦りで、別に困っていないのに何か作りたくなる。本末転倒だとは思っています。
② 「ただ印刷するだけ」では満足できなくなる
印刷に慣れてくると、刷るだけでは物足りなくなってきました。
- AMS(フィラメントを自動で切り替えてくれるユニット)で、多色・連続印刷をしたい
- ビルドプレートを自動で交換して、止まらず刷り続けたい
要するに「もっと自動で、もっと止まらず回したい」という欲です。3Dプリンタというより、小さい工場が欲しくなってきています。沼の入り口に立っている自覚はあります。
……というより、すでに片足は踏み込んでいます。
その証拠に、まず照明を Panda Lux というサードパーティ製のものに換装しました。A1 mini にはカメラが付いていて、印刷の様子をアプリから遠隔で見られるのですが、付属のライトだと一方向からしか光が当たらず、角度の都合でカメラ映りがいまひとつでした。Panda Lux は純正ライトのON/OFFを光センサで検知して連動してくれるので、これまでどおりアプリからライト操作ができたまま、カメラ映りだけが良くなります。ネットで見かけて、良さそうだったので導入しました。
次に狙っているのが、冒頭でも触れた AMS(多色・連続印刷)です。フィラメントを自動で切り替えて、色を変えながら止まらずに刷り続けてくれるユニットで、これがあれば手で付け替える必要がなくなりますし、放っておいても刷り上がります。手段はまだ迷っていて、純正の AMS を足すか、ほかのやり方にするか検討中ですが、多色・連続印刷をしたいという欲だけは固まっています。
まとめ
Bambu A1 mini を買って、
- セールと同僚の勧めで購入し
- フィラメントを溶かし続け(しかも増えていく)
- プリンタで自分自身を強化して
- MakerWorld と Claude Code でモデルには困らず
- 動いていない時間が惜しくなり
- もっと自動化したくなる
という、想像以上に沼の趣味でした。買ってよかったですし、たぶんこれからもう少しお金を溶かすことになりそうです。
