先日、クラウドファンディングで出資していたGPD MicroPCが無事完成し、手元に届いたため、いろいろ触ってみました。
概要
GPD MicroPCはGPD WINやGPD Pocketなどの超小型ノートPCを出している GPD社の最新プロダクトです。
GPD WINやGPD PocketとGPD MicroPCは違う点は、「ネットワークエンジニアの工具」と公式で歌っているように、タッチパネルがない、有線LAN、RS-232ポートが備わっている、Windows 10 proがデフォルトOS等があります。
私はindiegogoでこれを見かけたときから、そのコンセプトや設定価格に対してのコスパの良さなどが気に入り、またUSB-C(もっといえばモバイルバッテリー)で充電できる小型PCが欲しかったのもあり、速攻で出資しました。
支援自体は2019年2月に行いましたが、届いたのが2019年6月19日でした。
内容物
送られてきた中身は上の写真にあるように以下のものが含まれていました。
- GPD MicroPC 本体
- ACアダプター (USB type-C)
- USB type-C to type-Cケーブル
- ストラップ
- (+ 保証書)
ストラップは本体にストラップホールがあり、そこに使用することができます。
(ACアダプターとUSBケーブルはすでにある別のものを使用しているため、使用していないため詳細は見ていません)
初回起動→ちょっとしたトラブル
初回起動時はすでにWindows 10 proがインストール済みのため、標準のWindowsのセットアップが走ります。
(最初にMicroSoftアカウントでログインするとホームディレクトリが日本語名になるという話を昔聞いた記憶があったので、ローカルアカウントを作成→後からMSアカウントのヒモ付を行いました。)
しかし初回は問題なかったのですが、再起動するとログイン画面は正常に表示されログインできるのに、ログイン後に画面が表示されずマウスカーソルしか見えないという状態になりました。
GPD MicroPCの情報自体がまだ少ないため、私個人の問題なのかGPD Micro共通の問題なのかはわかりませんが、同様の症状を紹介しているサイトがあったため、そこに従い、セーフモードで起動して、グラフィックドライバの削除を試したところ正常に表示されるようになりました。
アップデート
GPD Microはリリースされたばかりのプロダクトですが、すでにアップデート情報がindiegogoのUpdatesに登録されています。
タッチパッドのアップグレードプログラム
タッチパッドのアップグレードプログラムが公開されています。
indiegogoのUpdatesに上記の投稿があり、リンク先からrarファイルをダウンロード→解凍して実行すると更新されます。
ただ、windows用のupdateファイルなのにrarで提供してたり、インストール後そのままではタッチパッドが動かなくなったため、キーボード操作で再起動させないと行けないところが微妙でした…(後者は自分のやり方が悪かったのかもしれませんが)
ファームウェアの変更(不要だった)
上記に書かれているように、ファームウェア作成時にミスがあったらしく、上記ファイルをリネームせよとのメッセージがありました。
ただ、downloadと書かれていたので、配布している方のファームウェアのほうかなと思いましたが、英語に自身がなかったので、念の為、確認しました。
しかしながら、EFI Shellでディスク全体を漁りましたが、該当しそうなデータはなく、これ以前に配布されていたファームウェアをDLして確認したところ、当該の名前のファイルがあったのでそちらのものだったようです。
そのため、結論としてはこれは一切アップデート不要でした。
EFI Shell の使い方メモ:
map // disk一覧を表示
mount blk0 aaa // blk0 を aaaという名前でmount
aaa: // mountしたaaaに移動する
あとはls なりなんなりで操作する
ベンチマーク
せっかく新しい端末をレビューしているのでいろいろベンチマークを走らせて見ました。
CrystalDiskInfo
ベンチマークではありませんが、最初に搭載されているSSDの情報を調べるためにCrystalDiskInfoを実行しました。
公式にはM.2 SSD搭載となっていますが、インターフェースについては書かれていませんでした。CrystalDiskInfoの情報を見る限りSATA3接続のようで、この後調べたCrystalDiskMarkのR/W速度もそれを裏付ける速度でした。
CrystalDiskMark
ディスクの書き込み性能をチェックするCrystalDiskMarkの実行結果です。
よくある格安タブレットやスティックPCと違い、M.2 SSDを積んでいるためかRead, Writeともにかなり優秀なスコアです。ただ、前述のようにSATA3のため、NVMeほどの速度は出ませんでした。
3DMark
最初に書いたようにあくまでモバイルかつネットワークエンジニア向けとなっているので、グラフィック等の性能はそこまで期待する端末ではありません。
しかしながら、どこまで動くかというのは試してみたかったので3D描画のベンチマークである3DMarkを動かしてみました。
かなり低いスコアですが、CPU内蔵GPUかつCeleron CPUで3D描画を行うほうが無理があるので、これぐらいかというスコアでした。
PCMark 10
次に総合ベンチマークソフトのPCMark 10を動かしてみました。
こちらも特に画像処理系はスコアが低いですが、一般的なアプリ起動やブラウザ操作等のスコアはそこまで悪くなく、軽い作業をする分には十分そうでした。
ドラゴンクエストⅩ ベンチマーク
いわゆるオンラインゲームの動作確認用のベンチマークですが、軽めの3Dゲームのベンチマークとしてよいという話を聞いたので、試しに動かしてみました。
普通には動かせるのと評価で、最近のグラフィック処理をガリガリやるゲームでなければ、ある程度は遊べそうということがわかりました。
総評
GPD MicroPCはガッツリとした処理には向きませんが、そのサイズ感や割り切った機能がいい感じで非常に私には好感触でした。
そもそもが常に持ち運べるSSH用端末がほしいぐらいのモチベーションでした。最近のWindows10であればWSLでその用途は満たせるので後は端末側がいい感じのものを探していましたが、これぞというのがなく基本的に諦めて必要なときはMacBookProを持ち運んでいました。
昔、ポメラのポータブックがセールされてたときに同じ用途で買いましたが、思っていた以上に厚みがあり、常時持ち歩くのは厳しかったです。
そのため、今回のCPD MicroPCはその用途にも十分あったうえで、他の機能もいい感じでした。
- Windows 10 Pro搭載
- ファンをON/OFFを物理スイッチで制御できる
- インターフェースが豊富
- USB Type-Cで充電できる
- RS-232ポートがある(自分は多分使いませんが、コンセプトに対しての思いが感じられて好き)
まだまだ購入したばかりで試せてないことも多いですが、ここからいろいろ遊んでみたいと思います。